広島空港の滑走路方向は10/28
JAL - Boeing767-300
JAL - Boeing767-300
2006-10-21 誘導路上(機内)@広島空港
Canon EOS 55 AF28-300mm F3.5-6.3 XR Di Velvia 100
写真は広島空港に着陸進入しているJALのB6。
今となっては旧旧塗装ですね。

ちょろっと赤く見えているのが着陸進入灯。なのでRwy10への着陸機です。

広島空港の滑走路の方角はRwy10/28で、真北から約100度傾いていますが、正確には97度の傾きです。
なんだか半端な数字と思いませんか?

資料によると空港建設予定地を選定した際に調査した風向は『西北西および東』。
ということで東西を向いた滑走路を造ることになったんですが、なぜ97度という半端な角度になったんでしょうか?

広島空港は山を整地して造ったので、空港に適した平坦な土地があって、測ったら97度だった、というのが一番ありがちな話です。


が、真実を見つけてしまいました。


航空機の針路は磁方位です。方位磁石( コンパス )が指す「北」がヘディング 0 で、「南」がヘディング 180 です。
滑走路の角度も磁方位なので、広島空港の場合、方位磁石の「北」に対して97度傾いています。

ところが方位磁石が指す「北」は北極点を指している訳ではありません。

これは磁方位と真方位の違いです。
真方位とは北極点の方向を 0 度としますが、磁方位が指す北はそこからずれた位置にあります(グリーンランド辺り)。

そのずれの角度が約 7 度。

…つまり、広島空港は磁方位では97度という半端な角度ですが、真方位で測るとピッタリ90度。
完全に東西に対して真っ直ぐ向いた滑走路ということです。

Google Earthで見ると、滑走路両端で同じ緯度、つまり完璧な東西方向であることが判ります。




こんな巨大な建造物の位置や方向を正確に造れるって、改めて考えるとすごい技術ですね。


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