年末に飛び込んできたニュースです。

広島空港の滑走路を東へ60メートル移動させるとのこと。
「滑走路端安全区域」と呼ばれる航空機がオーバーランした際の被害を抑えるためのエリアを、国際基準に合わせて拡大する、というのがその理由。

広島空港滑走路、60メートル移動 20年度にも着工 (中国新聞)

さて、滑走路を移動させた場合の影響はどのようなもんでしょうか。
素人ながら考えてみました。

・誘導路T1(Rwy28エンド側)も移動する
　Rwy28から離陸する際、T1から進入した後方に60メートル滑走路があるわけで、滑走路が実質2940メートルになります。
　これは無駄です。なので誘導路T1も合わせて60メートルずらすと予想。

・誘導路T6(Rwy10エンド側)は移動しない
　滑走路を60メートルずらすと、滑走路端のブラストパッドもずれて来ます。実際には、現行の滑走路を流用するのでディスプレイスド スレッシュホールドになると思います。
　滑走路端の路面区分は変わりますが、誘導路T6はそのままでしょう。
　(ブラストパッド・ディスプレイスド スレッシュホールドとは！？ → Wikipediaに聞いてみよう)

・滑走路端が移動するので、ILSも設置し直し
　ILSの角度も測り直しでしょう。JCAB(国土交通省航空局)の飛行機が飛んできて調査するはずです。

・Rwy28端に設置されたローカライザーが移動
　これは移動でしょう。というか、これが移動しないと、何を造成するのかよく判らんのですよ。
　ローカライザーが移動、簡易進入灯も移動。その両側(南北)を造成する。
　あくまで予想ですよ。

・標点も移動
　標点は滑走路のちょうど中央で、運航上の空港の場所とはこの標点を指します。
　よって、滑走路が移動すると標点もずれます。それに伴い、航空路誌など運航システムはすべて要変更です。
　ちなみに上の写真、滑走路に描かれた3本線が標点です。

・中央森林公園のサイクリングロードに影響は無さそう
　Rwy28エンド付近をサイクリングロードが通っていますが、そこまで造成はされないでしょう。

・搭乗する人には何の影響もなさそう
　羽田が60メートル近くなるけど、誤差ですね。

撮影の影響は、、、Rwy28エンドのローカライザー近くで撮っていた場所が進入禁止区域になるかも知れません。
少なくとも2020年からの工事中は、撮影ポイントにいろいろ制限がありそうです。

せっかくなんでイメージ図を作ってみました。あくまで予想ですよ。
上が現状の滑走路。下が滑走路が60メートル移動した予想図です。

(クリックで拡大)

3000メートルが60メートル移動しても、パッと見ほとんど判らんですね。