広島空港の視程5000メートル
JEX - Boeing737-800(JA341J)
JEX - Boeing737-800(JA341J)
2012-04-08 Rwy28エンド@広島空港
Canon EOS 1D MarkIII EF400mm/F5.6L
広島空港でアシアナ航空機が着陸に失敗しました。

低高度で進入して、ローカラーザーを引っかけて、緑地帯をスライディング&ドリフトして、Rwy28に降りたにも関わらず停止時はRwy10側を向いていました。
よくぞ大破せず出火もせず崖に落ちずに、停止したものだなと思います。

機体は全損処理のようですね。
事故調査が一段落すれば、間もなく重機で解体されるでしょう。


問題は大破した計器着陸装置(ILS)。上の写真にもある赤いやぐらです。
(写真は3年も昔のものです。スマヌ)

ILSを使うことでコックピットの画面に適切な着陸ルートが表示されます。
滑走路が雲や霧で見えない状態でも、着陸ルートに合わせて飛ぶ、もしくは自動操縦にすることで着陸が可能でした。

しかし今回、この装置が損傷して使用不可になっています。

現在(4月18日)の状況では、
・視程5000メートル以上を着陸の条件にして運航を再開
・一ヶ月後をめどにカテゴリーIの仮設ILSを設置
・従来のカテゴリーIIIbの復旧は7~8ヶ月必要になる見込み
だそうです。


運航は4月17日に再開したものの、視程5000メートル以上が条件です。

ということで広島空港で、どの程度、視程が5000メートルを下回るのか調べてみました。

広島空港の視程 2014年5月-6月

データは2014年5月~6月(61日間)のMETAR、計測は6時から21時の1時間毎(16時間)です。
1時間内で視程が変動した場合は最低値を用いています。
上限の値は10000メートル以上の視程を表しています。

その結果、976時間(61日x16時間)中、102時間(10.5%)で視程5000メートルを下回っていました。

昨年の気象条件ですが、運用時間の10.5%は着陸ができない状況です。
雨天に限ると、43.3%の時間で5000メートルを下回ります。

これでは「雨の日」というだけで、欠航やダイバートに悩まされることになりそう。
東京間を移動する人も、新幹線を選ぶ人が増えそうです。


広島空港を霧の少ない広島市沖に移転しよう、なんて話も出て来たりして(工事好きな政治家辺りから…)。

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