広島空港の霧について調べてみた
JEX - Boeing737-800(JA318J)
JEX - Boeing737-800(JA318J)
2011-08-20 中央森林公園 展望広場@広島空港
Canon EOS 1D MarkIII EF70-200/F2.8L + x1.4
少し前の記事で2012年のMETARを振り返ってみたけど、ついでに広島空港のラスボスである霧を調べてみました。

METARには視程(してい=肉眼で見える距離)を表す項目があります。

天気のいい日は視程が 9999 となって9999メートル以上見渡せることを示します。
RJOA 300300Z 25008KT 9999 FEW025 30/21 Q1013

これが雲が増えたり雨が降ったりすると、7000 とか 4000 に下がっていきます。
RJOA 060200Z VRB02KT 4000 BR FEW001 BKN008 BKN025 04/03 Q1016

上の写真は、視程が2500メートルの時に約1000メートル離れた高台から撮ったものです。
完全に撮影場所選びを間違ってますね ^^;


そして霧とは地表付近に雲が掛かるようなもんなので、一気に視程が悪くなります。
霧に悩む広島空港の2012年最低視程部門 1位は…


視程、ゼロメートル!!!
しかもわりと頻繁に…

3月2日08時23分RJOA 012223Z VRB02KT 0000 R10/0150V0250U FG VV001 07/07 Q1012 RMK A2988
3月5日17時33分RJOA 050833Z 15004KT 0000 R10/0150V0200N -RA FG VV001 09/09 Q1008 RMK A2978
4月11日16時48分RJOA 110748Z 18003KT 150V220 0000 R10/P1800N FG VV001 14/14 Q1000 RMK A2954
4月11日17時00分RJOA 110800Z 16003KT 120V210 0000 R10/0300V0600N FG VV001 14/14 Q1000
4月11日17時48分RJOA 110848Z 15003KT 100V200 0000 R10/0200V0300N FG VV001 14/14 Q1000 RMK A2955
4月26日15時07分RJOA 260607Z 19004KT 160V230 0000 R10/0200V0450N FG VV001 14/14 Q1005 RMK A2968
5月15日18時00分RJOA 150900Z 15003KT 0000 R10/0200V0500D FG VV001 16/16 Q1003 RERA
5月15日18時03分RJOA 150903Z 15003KT 0000 R10/0200V0450D FG VV001 16/16 Q1003 RMK A2964

もっとも 0000って、実際には視程100メートル以下を表す値と思われます。
本当に視程ゼロメートルだと人も歩けないですからね。

広島空港はILS(自動着陸装置)がカテゴリーIII-Bなんで視程50メートルまで降りられるけど、50メートル先しか見えない状況で時速250kmの機体を着陸させる心境ってどんなもんでしょう。
TO/GAスイッチ(押すと自動で上昇するスイッチ。離陸・ゴーアラウンド時に使用する。Take-off, Go-aroundの略)を押す準備をして窓の外を睨んでいるでしょうかね。

ちなみにILS カテゴリーIII-Cは、視程ゼロメートルでも自動で着陸可能だけど、視程がゼロでは着陸後にタキシングができないので実用化されていないそうです。


これを書きながら、前に悪天候の着陸シーンを動画で撮ったのを思い出しました。
2008年の映像です。ちょっと懐かしい機体も…。



この時のRVRは2000メートル。この程度ならまだまだ降りられます。
傘を片手に、ビデオカメラを手持ちで撮ったもんなんで、画面がわりと揺れます。
ご了承ください。(再生時間 2分38秒)

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