1989年7月に起きた、ユナイテッド航空232便スーシティ空港緊急着陸をドラマ化したノンフィクションです。

この事故をざっと解説すると、UA232便(DC-10/乗客乗員295名)が37000フィートを巡行飛行中に第2エンジンが爆発。油圧管が切れたために操縦不能に。第1・第3エンジンの推力のみの操作で空港へ向かい、スーシティ空港へ緊急着陸した事故です。

緊急着陸と言えば聞こえはいいですが、速度制御ができないため通常の1.5倍近い速度で滑走路に進入し、「激突」に近い着陸だったようです。
この映画の中でも着陸のシーンに実際の映像が使われていますが、、、
見た感じ“火だるま”です。。。

よくこれで183名が生還(112名が死亡)したなーと思うのですが、タイトルにあるようにこの事故で特筆すべき点は救助体制の素晴らしさにあり、消防や病院、地域との連携がこれだけの生存者を残せた訳です。

飛行機マニアな観点からこの映画を見ると、コックピットと管制官のやり取りはかなり忠実に再現されていてグッド。一方、エンジンの推力だけで操縦するのがどれだけ困難かがあまり語られていないのが残念なところ。

管制官のセリフ「Wind 010 at 11」に対して、字幕が「風力は010 向きは11時」となっているなど、ツッコミどころもあるけど(^^;)、ドキュメンタリーとしても飛行機好きが見ても楽しめる作品だと思います。

原題: A Thousand Heroes (1991年/米)