搭乗した旅客機の飛行ルートを採ってみよう
ANA - Bombardier DHC-8-Q400(JA858A)
ANA - Bombardier DHC-8-Q400(JA858A)
2014-09-06 空港南側道路@松山空港
Canon EOS 1D MarkIII EF70-200/F2.8L
2014年9月から航空機内での電子機器の利用制限が緩和されました。

先日、搭乗した際に出発から到着までをGPSで記録したんですが、これがまた楽しい。

という訳で、航空機の飛行軌跡を採る場合のやり方をまとめてみました。

軌跡を記録するには『GPSロガー』が必要です。
ロガーとは、ログを採る機械という意味で、一定時間ごとに位置情報をコツコツと記録してくれます。

スマートフォンでも位置情報を記録してくれるアプリはありますが、
・機内モードでも位置情報を記録するかが怪しい
・機内モードにしていることを客室乗務員に伝える必要があり面倒
・長時間の飛行では電池の持ちが心配
・スマートフォンは大きい
という理由でおススメはできません。

ワタクシが使っているGPSロガーは、ユピテル製のATLAS AL20という機種です。
AL20は、
・小型 (22x68x15mm、32グラム)
・電池の持ちが良い
・価格も安価
ということで軌跡のログ採りだけならこれで十分です。

一方、デメリットや無い機能としては
・液晶画面がないので、記録中に位置や高度、地図が表示されない
・採ったログを見るにはパソコンが必須 (Google Earthで閲覧する)
・採ったログの転送はUSBケーブルで行い、ちょっと面倒 (Wi-Fiで飛ばせたら快適)
などがあります。


さて、機内での採り方ですが、一言で言えば「電源を入れるだけ」です。
あとは勝手に記録してくれます。

とはいえ「電源を入れるだけ」では身も蓋も無いので、コツを紹介します。

■窓側座席は必須
GPSは、上空20200kmを周回する人工衛星からの電波を受けて位置を計算する仕組みです。
衛星は地球上を24機(以上)が飛行しており、そのうち3機からの電波を受けることができれば位置が計算できます。

旅客機は金属の筒で作られているため、電波を受信しにくい環境にあります。
少しでも受信状況を良くするためには、窓の近くにGPSロガーを置くべきです。窓側席に座りましょう。

※中央座席に座ると、受信ができないかは試したことがないので知りません。

■搭乗前に一旦、記録を開始しておく
GPSロガーは、電源を入れてもすぐには記録を開始しません。
記録を開始するまで2~5分くらいは待たされます。

理由は、どの衛星が自分の上にいるかが記録された周回軌道データもGPS衛星から受信しますが、これに時間が掛かるのです。
※スマートフォンのGPSは周回軌道データを地上の基地局から受けるので、捕捉が劇的に速いです。うらやましい。

なので、搭乗前に展望デッキなどの空が見渡せる場所でGPSロガーの電源を入れて2~5分ほど待って記録を開始しましょう。
一旦記録を開始したら電源を切っても構いません。

数時間は周回軌道データが有効なので、次に電源を入れたときは数秒で捕捉を開始してくれます。

■窓近くにGPSロガーを固定しよう
GPSロガーは窓近くで記録することが望ましいです。
窓枠に置けたら楽なんですが、旅客機の窓には桟(さん)がないので置き場所はありません。

ずっと手で持ち続けるのはキツイので、できれば置いてしまいたい。

で、そのやり方を3つ。
・吸盤を用意して、それにGPSロガーをぶら下げる
・養生テープで窓や窓枠に貼り付ける
・座席の肘掛に置く

吸盤は時間が経つと外れるのでおススメ度は低いです。見た目の怪しさ度も高いです。

養生テープはしっかり貼ると外れません。多少の怪しさもありますが、おススメです。
ただし、糊が残るガムテープなどは絶対に使わないように!!

肘掛に置くと窓からは少し離れるものの、問題ない範囲で受信できるのでこれもおススメです。
肘掛への固定は、紐で縛ったり、養生テープで貼ったりといろいろやり方があると思います。

いずれの場合も、床に落ちないようよう、紐を付けて腕や肘掛に引っ掛けておくが望ましいです。
狭い座席の下に落っこちると、探すのがすっごく面倒です。


飛行ルートはFlightRadar24を見ればいいじゃん、という気もしますが、GPSロガーで採ると
・DHC-8-400やSaab340bなどADS-Bの電波を出さない機種も記録可能
・地上走行などの低高度もしっかり記録できる
というメリットがあります。

搭乗した際の記録として残しておくのも面白いと思います。



Copyright Fumio Fukuhara 2004-2019. All rights reserved.